
19歳で車の免許を取って以来、実に30数年ぶりの教習所通い。年齢や日々の仕事の疲れもあってか、若い頃のようなスムーズさは微塵もなく、第一段階では早々にオーバー6時間を記録するほどの悪戦苦闘を繰り広げました。
「こんな状態で本当にバイクに乗れるようになるのか……?」
そう心が折れかけたことも一度や二度ではありません。しかし、世間では自分と同じように仕事や家庭など「何かしらの責任」を背負いながら、日々の慌導しさの中で踏ん張っている同世代がたくさんいるはず――。「ここで諦めたくない、自分ももう一度情熱を傾けられるものを見つけたい」という強い思いが、折れそうな心を繋ぎ止める大きな支えとなりました。
今回は、泥臭く這い上がってきた教習通いの完結編。第二段階の実車走行から「神教官」との出会い、大雨の中の卒業検定、そして運転免許試験場での併記手続きまで、その全記録をお届けします。
課題満載で挑んだ第二段階の実車走行
第一段階で時間をオーバーした分、「第二段階こそはスムーズに進めたい」と意気込んで臨んだ実車走行。しかし、現実は甘くありません。
立ち上がりのウォーミングアップ走行では、クラッチを繋ぐのが早すぎていきなりエンスト。幸い焦らず再スタートできましたが、出だしから冷や汗をかくことになりました。
さらに、ここにきて最大の壁となったのが「平均台(一本橋)」です。
スラロームは徐々に感覚がつかめ、無理に規定タイム(8秒切)を狙わず「8秒前半〜中盤で確実にクリアする」という現実的なラインが見えてきたものの、今までできていた平均台が急に乗れなくなってしまったのです。3本走って成功はわずか1本。タイムも7秒に届かず走り抜けてしまうというスランプに陥りました。
教官からは「上半身に力が入って膝が開いている。もっとしっかり膝でタンクを押さえ(ニーグリップを)ましょう」と指導を受けます。
「上手くやろうと無理をせず、先の先を予測して走る癖をつけてください」という教官の言葉が、肩に入った無駄な力を少し和らげてくれました。
仕事は有給休暇を取り、迎えた教習の初日、気合は十分です。
イメトレと「良い意味での割り切り」
次の教習に向け、ネットの動画を見まくってイメトレを重ねました。
- 視線は遠く
- 発進は力強く
- 上半身の力を抜き、ニーグリップを徹底
迎えた次の教習。検定での一発アウト(脱輪や転倒)を避けることを最優先にし、教わったポイントを愚直に実践しました。すると、危なっかしい場面もありつつ、なんと平均台を一度も落とさずに渡り切ることに成功。
完璧なタイムや走りを追求してリスクを冒すのではなく、「規定の範囲内に収め、安全確認や停止を確実に行う」。この割り切りこそが、焦りを減らす一番の薬でした。
まさかの展開!「神教官」降臨とみきわめ突破
第二段階の教習中、個人的に密かに「神教官」とお呼びしている教官に担当していただく機会がありました。細かい失敗があっても、全体の安全意識や基本動作ができていればしっかり評価し、前向きなアドバイスをくださる方です。
そして迎えた「第二段階みきわめ(教習24時限目)」。
ゼッケン1番としてウォーミングアップの先頭を走ることになり、緊張はピークに。検定本番のつもりでコースを周回しますが、途中の急制動で「速度が40km/hに届いていなかった」と指摘を受け、再挑戦になる場面もありました。
「さすがに今回は補習かな……」と半ば諦めかけていた走行終了後、バイクを停めると教官から一言。
「免許証を持ってきてください」
なんと、みきわめ合格。まさかの第二段階ストレート通過です!
「前回と今回の走りを見て、大丈夫だと判断しました。本番まで動画でしっかりイメトレをして臨んでください」と温かい言葉をいただき、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
第一段階でどれだけ遠回りしても、諦めずに理屈を身体に染み込ませていけば、ちゃんと前へ進めるのだと実感した瞬間でした。
大雨と緊張の卒業検定
みきわめから約1週間後、いよいよ卒業検定の日を迎えました。
天気予報どおり、当日はあいにくの雨。待合ロビーで待機していると緊張感がどんどん高まり、装着していたApple Watchから「安静時にもかかわらず心拍数が120BPMを超えました」と通知が届くほどでした。
受検者は平日にもかかわらず約40名。私は第3グループの1番手(実質3番目スタート)としてレインウェアを着用してコースに向かいました。
冷静さを保った「本番の走り」
スタート後、無理なタイム更新を捨ててクリアを最優先したスラロームを無事に通過。最大の山場である平均台も、深呼吸を入れて発進し、膝に力を込めて耐え切りました。渡り切った瞬間は思わず心の中で叫んだほどです。
途中、坂道発進の停止時に油断からエンストしてしまうアクシデントもありましたが、焦って再エンストを繰り替えしていた昔の自分とは違い、不思議なほど冷静にエンジンを掛け直して再スタートできました。
濡れた路面のため制動距離が延長された急制動も無事にクリアし、検定が終了。
合格発表で教官から「ここにいる方は全員合格です!」と告げられた瞬間、安堵と達成感で胸がいっぱいになりました。
運転免許試験場での併記手続きと「ゴールド免許」の復活
卒業検定合格から2週間後、有給休暇を取得して運転免許試験場へ向かいました。指定教習所の卒業者は学科試験が免除されるため、予約なしで併記手続きが行えます。
- 受付・暗証番号設定(8:45受付開始)
- 申請料支払い(1,750円)
- 適性検査(視力検査)
- 手数料支払い(2,050円)
- 写真撮影・交付
手続き自体は非常にスムーズに進み、11時前には新しい免許証を受け取ることができました。
そして、手渡された免許証を見て密かにガッツポーズ。前回の違反から5年が経過していたかがギリギリのタイミングだったのですが、無事に帯の色が「ゴールド」に復活していたのです。
泥臭く通い続けた教習所の思い出とともに、最高の形で普通二輪免許を取得することができました。
まとめ:大人世代の挑戦に「遅すぎる」はない
19歳で車の免許を取ってから30数年。運動神経の衰えを感じ、何度も補習を受けながら掴み取った二輪免許は、単なる移動手段以上の大きな達成感を与えてくれました。
仕事や家庭など、日々の生活でさまざまな責任を抱える大人世代にとって、新しいことに挑戦するのは勇気がいりますし、思うようにいかないことばかりです。
しかし、ストレートでスマートに行く必要なんて全くありません。時間をかけてでも、失敗を重ねてでも、諦めずに続ければ必ずゴールにたどり着くことができます。
手元にバイクが届いたら、いよいよ念願のソロツーリングへ繰り出す予定です。その模様や、大人世代におすすめのルート・ギア選びについては、YouTubeチャンネルおよび当ブログの各カテゴリーで発信していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。
挑戦に遅すぎるということはありません。この記事が、一歩を踏み出そうとしているあなたの背中を少しでも押すことができれば幸いです。
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